都市部の外構色彩の現状 -③東京都における色彩に関する諸制度-

コレド室町1

前へ(②色彩における心理的効果)

次へ(④大規模再開発の外構色彩について)

目次へ戻る

目的

2006(平成 18)年1月、東京都景観審議会から答申された「東京における今後の景観施策のあり方について」は、都民や事業者、区市町村等と連携・協力しながら、美しく風格のある首都東京を実現するための具体的な施策を示すものとしています。

東京都のまちづくりの基本方針である「東京の新しい都市づくりビジョン」との整合を図りながら、 様々な諸制度とも連携した施策の体系化をしています。この計画に定める良好な景観の形成に関する方針や具体的な施策に基づき、実効性のある景観形成を色彩以外の視点からも行っていくこととしています。

基本理念

東京では街並みが区市町村の区域を越えて連担しており、また、首都としての景観形成が重要であることから、景観法に定める考え方に以下の事項を加えて今後の景観形成を進めていく上での基本理念としています。

  1. 都民、事業者等との連携による首都にふさわしい景観の形成
  2. 交流の活発化・新たな産業の創出による東京の更なる発展
  3. 歴史・文化の継承と新たな魅力の創出による東京の価値の向上

東京都における色彩基準

東京都景観計画の色彩基準には、建築物の壁面を対象とし、特定の建築物およびその周辺の景観を保護するもの、河川界隈の景観を保護するもの、一般地域や大規模建築物の景観を保護するものなどがありますが、ここでは趣旨に沿いまして、一般地域や大規模建築物の景観を保護する色彩基準を抜粋します。 抜粋したものはオレンジのラインで示し、シートで以下にまとめます。

東京都

東京都景観計画

特別区における色彩基準

東京では東京都景観計画によって、都全域で壁面の色彩規制がされていますが、特別区においてもほとんどで色彩基準を設定している。各区で色彩基準を定めている場合、区および東京都の両方に色彩設定の届出をする必要があります。

また、床材の色彩決定においては事前協議で決められるのが一般的です。建物と景観の調和を考え、釣り合いを見て差支えがない色彩の計画をするのが現在の現状です。

下の表は、東京都と特別区の色彩基準が規定される条例の種類と一般地域に限った届出対象規模を示したものです。千代田区、中央区、中野区、葛飾区の4区では壁面の色彩基準が定められていないため、東京都景観計画に基づき色彩決定、届出を行います。

特別区における基準の有無と届け出対象規模

特別区では、区それぞれでいくつかの色彩基準を定めています。主に建築物の壁面を対象として、1.川沿いに隣接する建物やその周辺、2.歴史的景観を保持する建物やその周辺、3.大規模建築物等、4.その他の地域(一般地域)といった地域でわけ、色彩基準が決められます。ここでは趣旨に沿いまして、3.大規模建築物等、4.その他の地域(一般地域)の景観を保護する色彩基準を抜粋します。抜粋したものはオレンジのラインで示し、シートで以下にまとめます。

港区

港区景観計画

新宿区

新宿区景観計画

文京区

文京区景観計画

台東区

台東区景観計画

墨田区

墨田区景観計画

江東区

江東区景観計画

品川区

品川区景観計画

目黒区

目黒区景観計画

大田区

大田区景観計画

世田谷区

世田谷区景観計画

渋谷区

渋谷区景観計画

杉並区

杉並区景観計画

杉並景観計画②

豊島区

豊島区景観計画

北区

北区景観計画

荒川区

荒川区景観計画

板橋区

板橋区景観計画

練馬区

練馬区景観計画

足立区

足立区景観計画

江戸川区

江戸川区景観計画

前へ(②色彩における心理的効果)

次へ(④大規模再開発の外構色彩について)

目次へ戻る

参考文献についてはコチラ