どうも、もやしです!
本日は、風通しの良い住まいを提供するための方法について書いていきたいと思います。
昨今では空調技術が向上し、エアコンだけでもより良い居住空間を作れるようになりました。省エネルギー性能だけで言えば、住宅の高気密化が住むことにより熱を逃がすことのない居住域を作ることも可能となってきました。
しかし、やはり適度に空気の入れ替えをしなければ酸素濃度が下がり気分が悪くなったり、粉塵が蔓延してアレルギー反応を起こしてしまったりと問題は多くあります。
以上を踏まえ、風通しのよい住まいとすることは住宅を設計するうえでの絶対条件となります。
それでは、本題に入ります。
ざっくり風通しの悪い例
とっかかりとしまして、ざっくりとした例から説明します。まずは悪い例です。
リビングに窓を設け、南側から風を取り入れるように計画しました。南からリビングダイニングへ入った風は廊下の壁とぶつかり、風の流れが止まってしまいます。
基本的には風は抜け道がなければ、風の流れを作ることができません。入口を設けたら出口も必要です。
ざっくり風通しの良い例
続いて、ざっくりと良い例です。
パブリック性の高いリビングダイニングキッチンを南北方向に並べ、リビング南側の窓からキッチン北側の窓へと抜ける風のルートを確保しました。
風の抜けるルートは、南北方向に作ることが基本となります。
ゾーニングに配慮する
住宅の居室はそれぞれ、リビング+ダイニング+キッチン、浴室+洗面室+脱衣室でグルーピングされる傾向にあります。
これらのグルーピングされた大きな塊をうまくゾーニングし、風の通り道を確保しましょう。
特に水廻りはプライベート性が高いがゆえ、間仕切りに囲まれた閉鎖的な塊となりますので、北側に安易に配置してしまいますが、風の通り道も一緒につぶしてしまう可能性があります。
風の通り道を直線上に確保する
風の通り道はなるべく直線となるように配慮します。
通り道が屈曲し何回も風を遮るものがあると、自然換気能力が著しく低下します。
これは平面的にだけでなく、立体的に直線でも効率的です。高低差があれば温度差による換気ができるので、風がなくても換気を行うこともできます。
風が入る窓と抜ける窓の大きさを同じにする
あくまで卓上の計算にはなりますが、風が入る窓と抜ける窓が同じ場合の換気量が最も高く、窓の大きさの差が開くほど換気量が下がっていきます。
入り口が大きくても、抜ける窓が小さければ小さい窓に合わせた通風量になりますし、逆もしかりです。
自然換気を最大限利用するためにはなるべく同じ大きさの窓を配置したいところです。
間仕切りを工夫する
風の通り道に壁を設けなければならない部分はどうしても存在します。
間仕切り壁を工夫することで通風を確保するためには、間仕切り自体に工夫が必要です。
間仕切りを可動式とする(スライディングウォール)
可動間仕切りは、空間を簡単に分ける方法の一つです。
普段は間仕切りを閉め、大きな部屋としたいときや通風の際には、間仕切りを開放することができます。
欄間を設ける
間仕切り壁の上の部分に開口を設けたものです。
開口をサッシとすることもできるので、普段は閉めておいて、通風の際に開放して風の通りを確保する方法も有効な手段の一つです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
住宅内を風が抜けるときの心地よさは、どんな空調機器でもまねできるものはありません。
世論をみても環境面における世界の過剰な反応が目の当たりになってきている今、風通しに配慮した設計は、設計者にとって「簡単に手に入る強力な武器」となってくれるのではないでしょうか…。(締めの言葉がうまくでませんでした)
少しでも皆様のアイデアの引き出しが増えることを願ってます!
ご精読ありがとうございました。